【不思議な夜の夢みたいな本当のお話】 2001.7.14

7月13日の金曜日の夜中から14日の土曜日の仏滅にかけて。 私とボデー・ガードのりゅういクンは 滋賀県のとある山間のとある川の河原に11時ごろにつきました。

山に入る道中から、夜空には美しい星が、あっという間に数を増やしました。 街中の明るいところでは見えないだけで、こういう明かりのない山間では、いつもの夜空なのかもしれません。
私は憧れのミルキー・ウエイをついに見ることが出来ました。 それも、転落した彦星の代わりといっちゃあ言いすぎですが(あれは行方不明のままです)ヒトに紹介するとき、それこそ随分昔にはやった歌のような「ヒトにきーかれりゃオマエのことを としーの離れーた弟と」というような年齢の青年を(最近ではこういう年齢差は犯罪者と呼ばれる)、なんとおそれおおくも運転手兼ボデー・ガードに引き連れてです。

誰もいない河原。空には天の川・銀河。そして1匹のホタル。 私たちは、河原で1服。ホタルは煙草の火を仲間と間違えたかのように傍にやってきました。そうして、なんと りゅういクンの背中に止まり、ぼわー、ぼわー と光っています。 そっと私が手を差し出すと、その手に移ってきました。 これだけでも 真夏の夜の夢 みたいです。 そこで りゅういクン 「きれいな指輪」 とひとこと。 な、なんとロンマンチックな この情景にぴったりの表現。 彼はロマンチストだったのか・・・。 小指の根元で、ほわ、ほわ と か弱いながらも光るホタルの指輪。 こんなことってあるのかしら。 今 この時 世界で一番 美しい指輪。 ホタルはその後も私の腕に留まり続けていました。
りゅういクンがそっと人差し指を差し出すと その手に移っていきました。 これも なんか すごいこと に思えます。 でも、光は弱々しく、あたりに他のホタルは姿も見せず、はぐれホタルだったのか、命のつきる前のホタルだったのか。 優しいりゅういクンは、河原の叢にホタルを返しに行きました。

この時の私たちは、宇宙という世界の地球という星の「自然」のひとつになっていたのかもしれません。 ま、しっかりくっちゃべってはいました、確かにしばらくは息を凝らしてホタルを見つめてもいました。 満天の美しい星にも目を奪われ、指先のホタルの優しい光にも目を奪われ。 最高の時間でした。

さて、ここから先は信じるヒトは信じる、信じないヒトは信じない話です。 私たちは、上下左右に揺らぐ不思議な明滅する発光体をいくつも見ました。 ここはUFOの産地 などと 冗談を言うくらいたくさん。 1つみるだけでも、すごく不思議なことみたいにも思えるのですが。 それは星に比べると、少し赤っぽく、三角形のような、それ自体が発光しているような。 りゅういクンの目にはどう映ったのか。 大きいのがひとつと、小さいのがいくつも。

私たちは星にも目を奪われ、謎の発光体からも目を放せずにいました。 なんと贅沢な時間。 そのうち目が疲れたのかおかしくなったのか、今まで星だと思っていた、天空のあちこちで点滅が見えだしてきました。 しばらく目をつむってみました。再び夜空を見上げます。 やっぱりさっきと一緒です。
ついには「銀河はUFOの集まり」とか「UFOが星の擬態をしている」「私たちは取り囲まれた」なんて話もしだしたり。 とても美しく そして不思議で 静かな時間(とき)。 名残惜しかったのですが、河原を立ち去る時、不思議な光をもう一度見ようと空を見上げたら、それは消えていました。